コラム:「Gateway21の真実」
1.「まずはじめに」
先日、大手留学会社「Gateway21」が倒産しました。
ニュースでも大々的に取り上げられていましたので、皆様の中にもニュースをご覧になった方もたくさんいらっしゃると思います。
今回の倒産で大問題となったのは、 Gateway21に申し込んだ人の費用は、返金もされないし、留学もできないこと。
しかし、実を言いますとこれはGateway21に限らず、どこの留学会社でも起こりうることなのです。
ただし、18~30歳までに留学する人の留学を扱う留学会社に限られますが、まあ、ほとんどの留学会社が扱っていますんで。。
ここで、18~30歳までと限定しているのは訳があります。
今回のコラムは、Gateway21の倒産からわかる留学費用の仕組みと落とし穴についてお話しさせていただきたいと思います。
2.「ビザについて」
まず、前のページで留学会社が倒産すると返金がなく、なおかつ留学もできなくなるのは18~30歳という形で限定させていただきました。
それはこのビザに関係してきます。
未成年で現地の中学や高校に通う人たちは「学生ビザ」を取得して留学します。
18~30歳の人たちが留学する場合は「ワーキングホリデービザ」を取得します。
そして、このビザの違いが今回の「倒産すると留学できなくなる」に大きく関わっています。
下記に2つのビザを申請する際の必要書類をまとめました。
学生ビザ
●パスポート
●学生ビザ申請書
●入学許可証
●学費の支払証明書
●宿泊証明書
●残高証明書
●健康診断
●無犯罪証明書
ワーキングホリデービザ
●パスポート
●ワーキングホリデービザ申請書
●残高証明書
●健康診断
簡単に説明させていただきますと、「学生ビザ」を申請するための必要書類の中に、「入学許可証」、「学費の支払証明書」、「宿泊証明書」があります。
この3つの書類は、現地の学校に支払いをして、初めて発行されるものです。
よって中学生や高校生の留学は、ビザを申請する前に、学校へ学費とホームステイ代の支払いをして書類をもらっておかないといけないわけです。
しかし「ワーキングホリデービザ」を申請する18~30歳までの人たちは、学校からの必要書類は一切ないので、事前の学校への支払いは必要ないのです。
これだと、一見「ワーキングホリデービザ」の方が書類も簡単で良さそうに思えますが、実際はそうではありません。
実は「ワーキングホリデー」で留学する人の方が、あなたの留学費用を留学会社が所持している期間が長いのです。
平均すると、「学生ビザ」の方の留学費用を、留学会社が所持している期間は3~4日なのに対し、「ワーキングホリデービザ」の方の留学費用を、留学会社が所持している期間は2か月です。
この留学費用を所持している期間が長ければ長いほど、倒産の際の被害者の数が大きくなるのです。
「Gateway21」は、早割留学なるものも販売していました。
これは、留学半年前に申し込むと、留学費用が安くなるというものです。
この早割留学の申し込み者も、また倒産2か月前に申し込み費用の支払いをした者も、今回の被害者となってしまい、こんなにも人数が膨れ上がったのです。
では、Gateway21が倒産すると、返金ができなくなるのはわかりますが、なぜ留学しているものまで突然学校に通えなくなって、帰国することになったのでしょう?
すでに、現地に渡航していて、学校に通っているということは学校費用は支払ったということではないのでしょうか?
そこには、もう一つ留学会社のからくりがあります。
次のページでは、なぜ、すでに学校に通っているものまで学校に通えなくなったのかをご説明させていただきたいと思います。
3.「学校の違い」
Gateway21の倒産によって、留学中の人たちも学校に通えなくなったというのを説明するには2つのことを理解してもらわないといけません。
ですので、この「学校の違い」のページと次ページ「銀行の金利」の2つでご説明しておきたいと思います。
18~30歳までの人と、18歳未満の人の留学の違いの1つに留学場所の違いが挙げられます。
18歳未満の留学先は現地の中学校や高校ですが、18~30歳までの人達は「語学学校」と呼ばれる学校に留学します。
この2種類の学校には大きな違いがあります。
中学校や高校は、90%近くが公立校なので、学校が閉鎖しても国が返金してくれますが、語学学校は99%が私立ですので、学校が閉鎖しても返金がありません。
また、支払い方法でも大きく違う点があります。
中学校や高校は毎年2月に授業料とホームステイ代を1年分支払わないといけないのに対し、語学学校は1週間単位の支払いも可能となっています。
そして、この1週間単位が、Gateway21の倒産で留学中の人たちも学校に通えなくなった直接的な原因なのです。
この1週間単位の支払いはGateway21も採用していた語学学校への支払方法です。
でも、Gateway21は日本国内でお客さんからすべて一括でお金をもらっています。
ここまで説明すると、からくりがわかった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
以下にGateway21のお客さんのお金の流れを簡単に書いていきたいと思います。
①日本でお客さんから一括をもらう
②そのお金をGateway21の海外口座(通常お客さんの渡航する国)に入金
③そして、留学する人が渡航してきたら、その人が通う学校に1週間ずつ振り込む
④これをすべての留学者を対象に行う。
では、なぜこんなめんどうくさいことをGateway21はおこなっていたのでしょうか!?
一括で支払う方が、業務も減るし、簡単だと思いませんか?
では、この続きは次の「銀行の金利」でご紹介したいと思います。
4.「銀行の金利」
留学を申し込んだ人は、留学費用を基本的に一括で支払っています。
これは、18歳未満の方であっても、18歳以上であっても同じです。
しかし、現地では18歳以上の人たちの分は分割で支払われていました。
これは、銀行の金利が大きくかかわってきます。
通常、日本の銀行金利は0.05%/年というのが妥当でしょう。
これは世界的に見て、かなり金利の低い国に入ります。
しかし、海外の銀行は、平均金利5%/年です。
NZは特に金利が高く、平均金利6%/年となっています。
留学会社というのは、お客様から頂いたお金をいったん自社の海外口座に預金します。
そして、できるだけ長くその銀行口座にお金を預金するために、語学学校には分割で支払っているのです。
これは、海外の高い金利の口座を持っているからこそ、できることなのです。
大手の留学会社になると一日に数千万単位のお金が預金され、年間の預金高はとてつもない額になります。
そのとてつもない額に金利がつくわけですから、その金利は留学会社の大きな利益となるわけです。
これは、18~30歳のワーホリを扱うからこそできる手法ですが、留学会社が倒産してしますとお客様の留学費用が流れてしまう直接的な原因になってしまうのです。
5.「まとめ」
今回のGateway21の倒産は留学会社にとっても、衝撃的なものでした。
留学費用というのは決して安いものではありません。
長年仕事をしてお金を貯めた方もいるでしょうし、たくさんアルバイトして貯めた人もいるでしょう。
もしかしたら、留学費を誰かに借りた方もいるのではないでしょうか。
留学費が返金されない人が2000人以上というニュースが流れ、私たちは同じ留学会社として、とても悲壮感に感じました。
私たちはなぜこういうことが起こったのかを伝えることしかできません。
そして、この「Gateway21」のようなお金の流れを採用している会社はまだまだ存在するのが現状です。
対策としては、留学費用を支払ったら出来るだけ早く留学先の学校から領収書をもらってくださいと留学会社にお願いすることです。
留学するのであれば、留学会社の選択や自分たちの主張はしっかり行ってください。
今回、特別コラム「Gateway21の倒産の現実」を執筆いたしましたが、これは結局過去の出来事の説明でしかありません。
事故は起こってから解決するのではなく、事故は未然に防ぐのが一番なのです。
次回はすぐにでも理解してもらいたい「留学会社の見分け方」 を執筆したいと思います。



